運動療法で、鬱を改善するためには
精神科医・樺沢紫苑先生のお話によりますと、運動療法をきちんとやると、抗うつ薬と同程度か、それ以上に効果があるということが多くの研究で示されています。再発予防に関しては抗うつ薬よりも運動療法のほうがより効果があるということが示されています。
もちろん鬱になった最初の頃は全く運動とか出来ません。横になってるしかない人もいるかと思いますが、何ヶ月かである程度、散歩とができるようになってきたら運動をしていただきたいです。そうすることによって抗うつ薬を飲んで運動するとダブルで早く治りやすくなりますのでより効果が強いです。
もしくはどうしても薬なんて飲みたくないという人は運動だけで治すこともできます。
そのぐらい運動療法ってのは今うつ病の中で非常に注目されています。ではどれだけ運動したらいいのかという話が重要だと思うんですけど、有名なガイドラインイギリス国立医療技術評価機構(NICE) という組織が出している成人のうつ病に関する治療ガイドラインというのがあります。
そこの中で運動療法についてはこのぐらいをやるといいよっていう推奨が出ています。
運動療法ですね、週に2~3回、1回につき45分から1時間、10から14週を行うことを推奨してます、このガイドラインによると。
②だいたい①の運動を3ヶ月前後行う
と効果が出ますよということですね。
他にも色々運動療法が出てるんですけどもだいたい週に2回~3回でやっぱり1回1時間程度3ヶ月から4ヶ月ぐらい続けなさいというものが多いと思います。
それで運動強度に関してはこのガイドラインでは書いてませんが一般的な中強度。中強度っていうのはちょっと早い足ぐらいの汗が流れるぐらいの運動強度ですね。
ゆっくり歩くのであればちょっともの足りない感じがしますけど、その患者さんの体力にもよりますので鬱で、全然走ったりできません、早歩きもできませんという方は歩くことから始めていけばいいんです。理想的には中強度で汗が流れるような運動がいいということです。
これを一つの基準にしていただき、どんな運動すればいいかといいますと、有酸素運動なのでウォーキングまたは早歩き、ジョギング、サイクリング自転車こぎのようなものがやりやすいと思います。
水泳みたいなものでももちろんいいんですけどもウォーキング、ジョギングあたりが一番やりやすいかなと思います。
よくあるのがどのぐらいの期間やれば治るんですか?っていうのはありますけども
さっき10から14週、運動を行うことが推奨されているのでわかりやすく言うと、最低10から14週はやれよってこということです。
意図するところですね。10から14週であればもう十分ですっていう意味ではないです。だから最低でも3ヶ月その後効果がなければさらに続けてくださいということです。
お伝えしたいのは運脳の習慣ということがあることでさらに今後もうつ病の再発を予防していくということ。
うつ病の場合はもう3分の1から3分の2ぐらい再発します。薬をやめた場合ですね。薬を継続した場合は再発率は低いんですけどね。なのでいったん寛解した後も再発の危険さらされるわけです。
運動療法っていうのは再発予防技術がすごく低く抑えることができます。なので、週2~3回ぐらいの運動というものを習慣にして今後もずーっと続けていってほしいということなんです。だからこの間も運動3ヶ月して、鬱が全然治りませんという方もいるかと思いますが、4ヶ月も5か月もずっとこれから運動しながらやっていって頂きたいなっていうところでございます。
週2~3回で、1回45分から1時間程度の有酸素運動ってのは一般の人が健康に生活できる指標の大体の目安として言えますので、ぜひこのうつ病、私関係ないよと思ってる方もいるかもしれないですが、だいたい週に2~3回で、1回1時間、つまり、週に2、3時間の運動を行えば、かなり健康に良いということです。別にうつ病以外のいろんな健康面においてもメリットを得ることができます。
さきほどの目安の運動量が健康な運動量として示されているということなのでぜひみなさんの生活習慣に週2、3時間の運動ということを組み込んでいただけたらと思います。週2時間の有酸素運動で認知症になる確率を2分の1から3分の1に減らすこともできますのでいろんな病気を予防することにつながっていきますのでぜひ運動の生活習慣やってみてください。
参考資料